小さい頃、母はよく洋服を作ってくれました。
布屋さんにもよく行きました。
いろいろな布が高く積まれて、迷路みたいでいつもワクワクしていました。
この色は好き、この柄は「うーん」と妄想しながら。
友達とお揃いのスカートは、周りから「双子みたい」なんて言われるのが嬉しくて、友達と顔を見合わせてにんまりしたこと。
ピアノの発表会のワンピースは、生地もちょっと特別でお姉さん気分だったことなどを思い出します。
母の手作り服を卒業し、ミシンの出番も少なくなりました。
「もう、縫い物をすることもないから」と、母のミシンを譲り受けたのは十数年前のことです。
カタログが年代を感じさせます。
最初は、カーテンの裾直しに活躍するくらいでした。
子どもが生まれる前に、ふと、ベビーマットを作ってみると、縫い物って楽しい!と思ったのです。
それから、スタイ、帽子、ポシェット、スカート、ワンピース...
今ではミシンが身近な物となりました。
子どもが楽しみにしてくれて、嬉しそうに着ている姿を見ながら、母も同じようにしてくれていたんだな、としみじみ思います。
修理をしながらまだ使えるミシンですが、そろそろ新旧交代です。
私も含め、子どもの成長と共にあった母のミシンに感謝しながら縫い収めとなったのは、スタイです。
かわいいプレゼントが仕上がりました。