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ROOM STORY

 

nounours booksが会いたい人を訪ねるページです。

家のこと。部屋のこと。

ともに暮らす家族、日々のあれこれや布使い、などなど。

「room story」side A、side Bとしてお届けします。

 

 

 

01-side A

LULUさんに恋して

 

可愛くて、おてんばで、ちょっぴりパンチも効いていて。

展示販売会が行われると、ほとんどの作品が即日ソールドアウトになるほど人気のLULUさん。

地元静岡でも、“知る人ぞ知る”有名人です。

イヴ・サンローランが手がけた唯一の絵本『おてんば ルル』にちなんで、“LULU”として活動する、大澤弘美さんのご自宅を訪ねました。

 

 

 

作り出される洋服や小物はもちろん、おうちもご本人も、全部が“Sweet & bitter”な魅力がいっぱい。

編集部一同、一瞬で魅了されてしまったほどですが、聞くとなんと! 

独身時代のファッションは、コンサバスタイルだったのだそう。

「OL時代は巻き髪で、ブランド物のバッグも好きでしたよ~」(LULUさん)

今のご自身の雰囲気からは、まったく想像がつかない!(笑)

 

 

 

ライフスタイルが変わったきっかけとは、一体何だったのでしょう?

「結婚して、子どもが生まれてからですね。幼稚園に入ると、入園準備ってあるじゃないですか。スモックとか、上ばきを入れる巾着とか。

それで、知り合いに譲ってもらったミシンを使ったら、子ども時代に好きだった手作りの楽しさと喜びが蘇ってきたんです。あぁ、これこれ!って」

じつは小学生の頃、ミシンを使っての小物作りが得意だったLULUさん。

黒猫をモチーフにしたアメリカのキャラクター「フィリックス・ザ・キャット」のリュックを、自分でデザインして作ったことも。

「リュックのかぶせる部分を猫の顔にして、荷物を入れるところをからだにして…っていうふうに、自分で作ったりしました」

 

 

 

 

さて、話は娘さんの入園準備に戻ります。

「スモックって、作るの大変だろうなぁと思ったら簡単で! あっという間に出来ちゃった。

それまで子ども服は既製品を買っていたんですけど、全然自分で出来るなぁと思ったんです。

以来ソーイングブックを参考にして、どんどん子ども服を作り始めました」

同じ頃、今の住まいの場所に家を建てたLULUさんは、離れの別棟も設けて、カフェをオープンする予定だったのだそう。

ところがその後、自宅付近は飲食の営業不可なエリアだったことが判明し…。

 

  

 

離れは、LULUさんがものづくりをするためのアトリエに急遽変更!

「それならここで子ども服や小物を作ろう。売れなかったら子どもに着せよう。どっちにしても、ムダにはならないじゃない、と思って(笑)」

「楽しい方を選ぼう」

LULUさんらしいゴーイングマイウェイな選択は、その後、運命的な2つの出会いを運んでくるのでした。

 

 

  

 

「運命の出会いその1」は、吉祥寺の北欧雑貨展「CINQ(サンク)」店主の保里享子さん。

「サンクさんには、お客としてよく通っていました。娘がまだ赤ちゃんの時ですね。

当時からよくしていただいて、布小物を作っているお話をしたところ、ベビースタイやエプロンを作ってほしいと、ありがたい展開になって」

 

 

  

 

「運命の出会いその2」は、同じ地元の静岡にある雑貨店「s a h a n j i +(サハンジプラス)」の河村奈穂さん(前回の記事に登場されています)。

「私の実家がサハンジさんのお店と同じ、静岡の清水なんです。以前から“おしゃれで素敵だな”と思っていたので、こちらにもよくお客としておじゃましていて。それで思い切って、作品を置いてもらえませんかとお願いしたところ、ご快諾してくださったんです」

(編集部注…じつは、先にひと目惚れをしていたのは河村さんの方だったそう。LULUさんを見かける度、「なんて素敵な人なんだろうと、ずっと気になる存在でした」とのこと)

 

  

 

(写真は、nounours booksの連載コンテンツ「花と服」に登場した時のLULUさん)

LULUさんのミラクルは、まだまだ続きます。

サンクでも、サハンジプラスでも、LULUさんの作る小物はどんどん完売に。

「世の中にはこんなにたくさんのモノで溢れていて、何でも手に入る時代なのに、

本当に私の作るものでいいのかしら…と、今も恐縮した気持ちになるんですけれど…」

「こんな話で、本当に大丈夫ですか~?」と、何度も繰り返すLULUさんの様子がまた可愛らしく(笑)。

「次の展示会は絶対に行こう!」「LULUさんの作品が私も欲しい!」と、すっかりファンの一人に加わったのでした。

 

★次回sideBでは、娘さん二人とだんな様と暮らす、母屋での写真を交えながら、LULUさんのお話の続きをお届けします。お楽しみに!

 

 

Column 暮らしの中の布使い

 

 

 

LULUさんの定番商品、エプロン(生地はCHECK&STRIPEのもの)。「大人になっても、ギンガムチェックはテンションが上がりますよね。甘くなりすぎないよう、シンプルなデザインにしたので、自分でも普段、よく使います」(LULUさん)

 

訪ねた方

LULU(大澤弘美)

布作家。静岡県在住。

2007年より「LULU」という作家名で布小物作りを始める。2010年より、東京・吉祥寺でCINQ plusで販売開始。

静岡の雑貨店「s a h a n j i +(サハンジプラス)」での展示会を年内で予定中。

https://www.instagram.com/lulu_works_everyday/

 

撮影/大段まちこ 文/井尾淳子

 

 

 

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