ROOM STORY

 

nounours booksが会いたい人を訪ねるページです。

家のこと。部屋のこと。

ともに暮らす家族、日々のあれこれや布使い、などなど。

「room story」side A、side Bとしてお届けします。

 

 

 

01-side B

わたしの“好き”が生まれる場所

 

二人の女の子のお母さんになり、子ども時代に好きだった、

手作りの楽しさを思い出したという“LULU”こと、大澤弘美さん。

side Aでは、布小物作家として活躍するまでのストーリーをご紹介しました。

 

 

吉祥寺の北欧雑貨展「CINQ(サンク)」や地元静岡の雑貨店「s a h a n j i+(サハンジプラス)」で作品販売を開始したLULUさん。

中でも、サハンジプラスで企画した「かごバッグに合わせて使える巾着」とのセットは大人気商品に!

「かごって可愛いですけど、ちょっとガサガサするし、中も丸見えになりますよね。

そこで店主の河村さんがかごを取り扱って、私が巾着を作って…としたところ、

セットで愛用していただく方が多くて。当時は本当に本当に、たくさん作りました~」(LULUさん)

ぜひ現物の撮影を…と申し出たのですが、すべて売れてしまい、

LULUさんの手元にも今はひとつも残っていないのだそう(残念!)。

 

 

 

 

活動当初は子ども服がメインだったけれど、

日に日に「大人向けの洋服もほしい!」というラブコールが増えたそう。

それからは、子育てに家事に作品づくりが加わって、目の回るような毎日に。

「予約注文が入っている期間はとくに、“早く納品しなきゃ~”って、圧迫感に襲われるんです…(笑)」

それでもやっぱり、自分だけのアトリエで、朝からものづくりができることの喜びを思うと、「なんてありがたいことなんだろう、と幸福感を感じます」

そんな元気なLULUさんの毎日が、心から羨ましい!と感じました。

 

 

 

家族と暮らす母屋と仕事場のアトリエは、引っ越してきてから、ちょうど13年目め。

「おしゃれな友だちが建てたおうちが、とても素敵だったんです。

それで、同じ建築家の方に、私もお願いしたいと思って、実現しました」

LULUさんの自宅は、建築家・吉村順三さんのチームに在籍されていた、

藤井章さんによる設計なのだとか。

 

 

 

 

家族と暮らす空間はしっかりありつつも、

「ものづくりができる空間」もある暮らし。

お子さんたちが小さい時でも、寝かしつけた後、また制作に戻ったり…

という過ごし方も自由に?

「最初は私も、そんな風にやる気満々だったんですよ。

ごはんを作って子どもを寝かせたら、またミシンをかけて!…って」

 

 

でも、ふと立ち止まって考えるキッカケになったのは、だんな様のアドバイスでした。

「母屋に戻ったら、仕事は切り上げたほうが体もゆっくり休まるだろうし、夜も制作するのは大変なんじゃない、と言われて。

たしかにそうだなぁと納得しました」とLULUさん。

さらに「ここは駅も遠いし、高校生になった今でも、娘たちの放課後は車でお迎えに行くんです」

お迎えの時間が来ると、それを境に、たとえ途中でも作業はおしまい。

そこからは買い物をしたり、ごはんを作ったり。

一気にお母さんタイムへシフトする、というLULUさんです。

 

 

  

 

実際に手を動かすのはアトリエでも、デザインや生地選びなどのアイデアは、母屋で思いつくことが多いのだそう。

「ふとした時、たとえばあっち(母屋)で料理を作っている時に、よくひらめきますね。

そしてここ(アトリエ)では、布を切って、縫って、アイロンかけて…っていう、主に作業に集中します」

 

 

 

 

「これから、どんな物を作りたいですか?」と尋ねると、

「うーん、そうですね…。ずっと走り続けてきたので、むしろ少しペースダウンしたい感じが…」と、苦笑するLULUさん。

ネット販売も、安価なファストファッションも溢れている今だから、モノを生み出し続けることに対しては、少しの疑問もあるのだそう。

「作るのは私ひとりのことなので、むしろ、ここでしか買えない方向を目指したい。

わざわざここまで足を運んでいただいて、“やっと買えた!”って喜んでいただくような、

そんな世界がいいなぁと思っています」

 

 

 

生地はギンガムチェックで可愛いけれど、エプロンのラインはちょっとタイトめ。

ワンピースはパフスリーブで可愛いけれど、生地はシックな色合いもあり。

LULUさんの中では、着る人のイメージはあるのでしょうか?

「それがまったく自己中なんですけど…。ぜんぶ、自分が好きで、自分が着たい服、持ちたい小物だけなんです。それ以外に思いつかなくて(笑)」

あれもこれもお聞きしたい…と思っていると、娘さんからの「お迎え」コールが。

「行かなくちゃ~」と、そこでインタビューはお開きになりました。

次にお目にかかる時は、LULUさんのどんな“好きなもの”に出会えるのかな。

帰り道、その日がもう待ち遠しくなっているのでした。

 

…写真のピンクチュールの巾着は、取材後の今年2月「CINQ(サンク)」にて行われたLULU展で購入。

たしかに、「やっと買えた!」という喜びがありました!

 

 

Column 暮らしの中の布使い

 

 

LULUさん自身が今着たい気分の服は、シルク素材で作ったTシャツワンピ(生地はCHECK&STRIPEのもの)。

「最近は、こういうツヤ感のある素材が好きです。下にスリップドレスを着て、マニキュアをして…と、いつもと違う感じで、お出かけしたいですね」(LULUさん)

 

訪ねた方

LULU(大澤弘美)

布作家。静岡県在住。

2007年より「LULU」という作家名で布小物作りを始める。2010年より、東京・吉祥寺でCINQ plusで販売開始。

静岡の雑貨店「s a h a n j i +(サハンジプラス)」での展示会を年内で予定中。

https://www.instagram.com/lulu_works_everyday/

 

撮影/大段まちこ 文/井尾淳子

 

 

 

バックナンバー
03 side a LULU 大澤弘美さん
 
 
 
 

contents