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ソーイング・レメディー making story

CHECK&STRIPEのおとな服 ソーイング・レメディー

MAKING STORY 01

 

2021年2月27日、CHECK&STRIPEの14冊目となる本が文化出版局より発売になりました。

(こちらのページで販売しています)

この新しい本の発売を記念して、撮影秘話など、貴重なmaking storyを全4回でお届けいたします。

初回の座談会メンバーは、この本の撮影を担当したフォトグラファー(&nounours books編集長)大段まちこさん、labmiことCHECK&STRIPE 代表在田佳代子さん、CHECK&STRIPEのスタッフで、制作進行や小物のデザインを担当しためがねさん。

まずはこの本のテーマが生まれたきっかけから、振り返っていただきました。

 

 

きっかけは、2年前のイギリスふたり旅

 

 

- 夏の海のイメージが印象的だった前回の『CHECK&STRIPE SEW HAPPY』とは、ガラリと雰囲気が変わりましたね!

森、草、花…といった、今回のイメージのはじまりは、どこからですか?

 

labmi そろそろ次の本を考えないと、と思っていた頃に、大段さんと私とで、イギリス・ロンドンへふたり旅に行ったんですよね。

 

大段 そうでした。あれは、一昨年の秋でしたね。

 

labmi その時、二人で本のテーマを話したわけではないのですけど。旅の道中で大段さんから、「こんなにかわいいフラワーレメディーを見つけたんですよ!」など、楽しい話をたくさん伺いました。

思えば、「レメディーって、なんて可愛い言葉なんだろう」と、あの時に感じたことが頭のどこかにずっと残っていたのだと思います。

 

- フラワーレメディーというのは、1930年代にイギリスの医師のエドワード・バッチ博士によって開発された、植物由来の自然療法ですよね。

 

大段 はい。花や草など、植物から採ったエッセンスで、こころや感情のバランスを整える自然療法です。

イギリスではとってもポピュラーなもので、ドラッグストアなどにも売っているんですよ。

 

labmi その時は、まだ新型コロナウイルス感染症は起こっていなくて……。

レメディーという言葉のインスピレーションから、「次の本はイギリスで撮影をして、草木や花をテーマにするのも素敵なのでは」と思っていました。

 

 

 

手を動かすことは、こころを癒すこと

 

 

めがね なので企画がスタートした当初は、イギリスロケを念頭に置いて、準備を始めていたんですよね。ところが、世界的なコロナのパンデミックが起きてしまって。

 

labmi それで海外ロケは断念せざるを得なくなりました。ロケ場所の紆余曲折については、別の回でじっくりお話したいと思いますが…。

 

大段 本当に。ロケ場所については、コロナの影響で二転三転ありました。

 

labmi そうなんですよね。ただ、「ソーイング・レメディー」という言葉がタイトルになったことが、不思議な気持ちもしています。

 

- と、いうのは?

 

labmi その時は世界がこのようなことになることを誰も予想していなかったのに、
「レメディー」という言葉がなぜ、イギリスを旅した時に心に残ったのか・・。

そしてその3ヶ月後、コロナ禍となって、これからどうなるのだろう…と思っていたのですが、そんな不安とは裏腹に、スタッフから、てづくりされるお客様からのお問い合わせが増えて、お電話もたくさんいただいていると聞いたんです。

 

- そうだったのですか。

 

labmi そこで「ソーイングというのは、人の心を癒やすもの」と、あらためて実感しました。こういう時期に手を動かすことによって、お客様の心も満たされるのだなぁと納得した時、イギリスで聞いた大段さんの「レメディー」という言葉が降りてきて…。タイトルもテーマも、心を満たすことだと思ったんです。
ロンドンで大段さんから聞いたフラワーレメディーのお話が、ひとつの導きのような気もして・・。

 

大段 運命的でしたし、とってもいいタイトルになったと思います。「ソーイング」も「レメディー」という言葉も、どことなく雰囲気が似ているような気がしたのは、どちらも「心を満たすもの」だから、なんですね。

 

labmi 布屋として、このようなテーマの本が作れることは、この時代に私たちに課された大切な役目と思えました。
そして本書は、読者の皆様に向けてのメッセージから始まっているので、ぜひ読んでいただきたいです。

 

- labmiさんのポエティックなメッセージから、ソーイング・レメディーの世界に誘われていただきたいですね。

 

 

 

やさしい色合いの生地が中心

 

 

- 「イギリス」「レメディー」などのキーワードから、本書の布選びやデザインも始まった、という感じですか?

 

labmi はい。そうですね。

 

大段 この本がきっかけの、オリジナル新作生地はどちらになるのでしょう?

 

めがね エプロン・ワンピースで使用している、2種類のグリーンのブロックチェックの生地です。これは、本書がきっかけで出来上がりました。

 

「C&S洗いざらしのハーフリネンダンガリーブロックチェック グリーンアップル・イングリッシュハーブグリーン」

 

大段 とてもかわいい生地ですよね。

 

labmi ありがとうございます。そしてリバティプリントの柄は、たくさんある中から、スタイリストの田中美和子さんを中心に選んでいただきました。

美和子さんも、別の回でご登場いただく予定ですので、お楽しみに。

 

めがね とくに、Glencot House(グレンコット・ハウス)という、大きなかばんに使用したビニールコーティングのリバティプリントは、イギリスロケを予定していた時から、候補に挙がっていたものでした。色合いもとてもやさしいので、レメディーというテーマにぴったりだったと思います。

 

大段 そうですね。やさしい感じ、癒やされる色合いですよね。

 

- タイトルも、生地選びも、結果「あるべきかたちになっていた」というのが不思議で、面白いですね。

 

大段 それはきっと、今回の本づくりに関わったみなさんが、「心を満たす」というコンセプトをつねに念頭に置いて進めていたからですね。だから自然と、そうなっていったのだと思います。

 

labmi・めがね たしかに(深く、納得)。

 

続く02回では、パンデミックで紆余曲折を経て、理想のロケ地にたどり着いたという、making storyをお届けします。お楽しみに!

 

撮影/大段まちこ 取材・文/井尾淳子

 

 

 

ソーイング・レメディー making story

 

 

 

 

 

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