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CHECK&STRIPE 『COLOUR BOOK』

2024年3月22日に文化出版局より、CHECK&STRIPEの新刊『COLOUR BOOK 色を楽しむソーイングブック』が発売されました。

nounours booksではすっかり恒例となった、新刊記念のmaking story座談会シリーズ。今回は前後編2回でお届けします。

座談会メンバーは、labmiことCHECK&STRIPE代表の在田佳代子さん、CHECK&STRIPEのスタッフで、今回の本でも制作進行や小物デザイン担当をしためがねさん、フォトグラファーの大段まちこさん、スタイリストの荻野玲子さん、文化出版局の編集担当の三角紗綾子さん。

「すべてが順調でした!」というロンドンロケなど、楽しい制作秘話について伺いました。

 

 

 

ーCHECK&STRIPEのソーイングブックチームにとって「ロンドンでの撮影」というのは、パンデミックの時期からの悲願だったと伺っています。晴れて、ようやく実現となった、ということですね!

labmi そうなんです。「次は必ずロンドンに!」というのは、数年前からもう決めていたことでした。なので今回の新刊は、撮影場所が先に決まっていた、ということになります。そこで昨年から製作に入ったとき、「さて今回はどんなテーマにしよう」とスタッフのみなさんと話し合い、アイディアを出し合った結果、「カラーごとのページをつくっていく、というのが新鮮では?」となったのです。

三角 そうでしたね。同じカラーだけでページが埋め尽くされている、というような、そんな絵作りがしたい、という話が盛り上がりました。たとえばピンクならピンク、グリーンならグリーンの生地や服で、背景含めてページがその色で満たされている、というアイディアから、撮影内容もデザインも、どんどんイメージが広がっていったんですよね。

 

 

 

ーそういえば以前labmiさんから、「生地をつくる際はいつも、色のイメージから始まる」というお話を伺ったことを思い出しました。

labmi 子どものときから絵の具などを使って、「この色とこの色を混ぜたら、こんな色になるんだ」ということにとても関心がありました。多色の色鉛筆を買ってもらって、とてもうれしかった思い出がありますし、自分の中でも、色に関してのこだわりというのはずっとあったのかなとは思います。あと、昔好きだった『Pure Style』というイギリスの洋書が、カラー別にページがまとまっていたことも記憶に残っていました。そういうこともあって、今回のカラー別というコンセプトはとても素敵だなと思いましたし、何より、オリジナルの布でふんだんな色展開をしているCHECK&STRIPEならではの本ができるんじゃないかな?と、イメージが広がりました。

ースタイリストの荻野玲子さんは、CHECK&STRIPEのソーイングブックに初参加されたとのこと。荻野さんは今回のコンセプトをお聞きになって、いかがでしたか?

荻野 「ロンドンと色」と聞いただけで、すぐに楽しみになりました。たとえば雑貨とか、ロンドンの曇り空とか、撮影が行われたのは6月だったのですが、その頃に咲く季節の花……。ほかの国よりも思いを浮かぶものがたくさんあって、それだけでわくわくしたんです。実際に訪れてみるととてもいい季節だったので、CHECK&STRIPEさんのいろいろな服と、その背景となったロンドンの撮影場所が一体となったときには、“うわぁ~!”と感動しましたね。

 

 

 

 

ースタッフのみなさんも満場一致でロンドンへと向かった、というわけですね! それぞれに思い出があると思いますが、印象深かった写真やページなどについて教えてください。

大段 わたしは、白壁の前で撮影した、白いジャケットの写真(写真上)がとても印象深いです。偶然見つけた壁だったのですけれど、それもまた海外ロケならではの出会いだなぁ、と思いました。そんな楽しいハプニングを味わえることは、何度経験してもやっぱり好きで、楽しいです。この壁も、「よかった!」と思うことの一つだったんですよね。撮影していた時間の光も良くて、場所も、スタイリングやモデルのモトちゃん(モトーラ世理奈さん)のとびきりの笑顔など、うれしい、かわいいことが全部ギュッと詰まったような写真になったと思います。

三角&荻野 わたしもこのページの写真が好きです!

大段 モトちゃんが持っているバッグの中身にもぜひ注目してください。荻野さん、三角さんと一緒に、現地のスーパーで探して調達した牛乳だったり、クロテッドクリームだったり、スコーンだったり。本当に、思い出がいっぱいつまったワンカットですね。それもロケを実現していただいたおかげです。ロンドンでしか撮ることができなかったカットだったのでは、と思います。

 

 

 

 

ーたしかに、今回の本はページのそこかしこに、かわいい小物が登場していますね~。

大段 撮影に使われている小物はほぼ現地で調達して揃えているので、「ロンドンにはこういうものがあるんだ」という目線でも、ぜひ楽しんでいただきたいですね。「ブルー」のページ(写真上)では、T.G. GREEN社のコーニッシュウェアもイギリスのものですし、お花もイギリスのあざみだったり。

labmi そうそう。「イエロー」のページ(写真下)もそうですね。イギリス産のリンゴジュースやレモンカードなど、ロンドンに留学経験があって詳しい大段さんがそこまでじっくり、こだわってくださいました。イギリスというと国旗の色を思い浮かべる方も多いと思いますが、それとは違うやさしい色が集まって、かわいいページが出来上がりました。

 

 

「イギリスにはイートンメス(eton mess)といって、メレンゲと生クリーム、いちごでつくるとってもおいしい伝統的なスイーツがあります。実際の材料でつくるシーンがあるとかわいいかな、と思ったので、撮影しました」(大段さん)

どのページにあるか、ぜひ探してみてください!

 

 

 

 

 

三角 イエローの、扉から始まる見開きのページ(写真上)も、わたしはとても好きです。

めがね 僕も、このページは写真もデザインもとても好きですね。切り抜きで入っているサンドイッチの写真は、荻野さんが、それを食べていらっしゃる英国紳士を発見したことで生まれたアイディアだったんですよね。

大段 そうでした~。パンにチップス(イギリスのフライドポテト)をはさんで食べていらっしゃった方ですよね。

荻野 とても綺麗にスーツを着こなしている紳士が、パンにフライドポテトをはさんでいて、そんな食べ方があるんだ!とびっくりして(笑)。

三角 デザイナーの本田喜子さんからレイアウトが上がってきたときは、例のサンドイッチやミルクティーなどがポラロイド写真のような雰囲気でデザインされていて、「かわいらしさがたまらない!」と、思わず唸ったほどでした(笑)。

labmi このイエローのページで使っている大きなブロックチェックの「CHECK&STRIPEオリジナル洗いざらしのハーフリネンブロックチェック」は、2009年に出版した『CHECK&STRIPE FLORAL』(世界文化社)で使用した生地でもあるんです。その本でも大段さんに撮影をしていただいたこともあって、今回このページには深い繋がりを感じましたね。 FLORALの続編…というか、その後のCHECK&STRIPEの物語にもなっている気がして、わたしもこのページが大好きです。

ーみなさんの楽しそうなmaking storyを聞いてから、改めて本書を眺めると、まるでロンドンを旅してきたような気持ちになります! 

続く後編では、気になる洋服のデザインのこと、CHECK&STRIPEの生地への思いのことなど、貴重な制作秘話をお届けします。お楽しみに!

撮影/大段まちこ 取材・文/井尾淳子

 

 

『CHECK&STRIPE COLOUR BOOK 色を楽しむソーイングブック』(文化出版局)に使用した布をこちらのページで販売しています。

ぜひご覧ください。

 

 

COLOUR BOOK

 

 

 

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