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トラネコボンボン レッツゴー高知

まるで洗い立てのような、雲ひとつない、青空。

「正しい夏」というのは、きっとこんな日のことだなぁと感じながら、nounours books編集部一行は、高知へと向かいました。

旅の目的は、トラネコボンボンこと、中西なちおさんを訪ねること。

なちおさんと言えば、絵本作家であり、また「旅するレストラン」と称して、各地で料理を提供する「トラネコボンボン」の主宰でも。なちおさんの描く絵をもとに、布やアップリケ等のものづくりをCHECK&STRIPEとコラボする「トラネコ手芸店」でもおなじみです。

なちおさんと過ごした「正しい夏休み」の時間を、元気にお届けしたいと思います。

 

 

 

「ようこそ、いらっしゃいました!」

高知はもともと、なちおさんの生まれ故郷。沖縄や東京と移り住む中、コロナを機に、住まいの拠点は「高知ひとつ」と決めたのだそうです。からだに馴染む「地元」で過ごしているなちおさんは、元気いっぱい、ぴかぴかの笑顔で、わたしたちを出迎えてくれました。

 

 

 

 

 

「なちおさんが感じる高知って、どんな街ですか?」と尋ねると、返ってきたのは、

「うーん、そうですねぇ……。野性的な人が、多いかも!(笑)」という答え。

今回、わたしたちが「なちおさんと行きたい!」と思った場所は、毎週開かれる高知の日曜市。県内随一の繁華街「高知市追手筋」に、約1キロにわたって新鮮な食材が並ぶその様子は、まさに「野性的!」 なんと300年以上の歴史をもつという魅力的なマルシェに、早速案内していただくことになりました。

 

 

 

 

 

 

…野菜がどれも新鮮で、しかもめちゃ安い!!

朝採りの無農薬&つやつやの野菜とその値札に驚いて、一気にテンションが上がる編集部一行。入り口から早くもお買い物が始まってしまい、まったく前に進むことができません(笑)。

 

 

 

 

 

 

野菜だけではなく、お茶や草花、パンなど、気になるお店が次々と現れます。

「慌てなくても、お店はまだまだたくさんあるから大丈夫ですよ!(笑)」

わたしたちのテンションを見てくすくす笑う、余裕のなちおさんでした。

 

 

 

 

なちおさんはというと、迷わずスタスタ、目的のお店へと直行します。

「ぶどうが出始めましたねぇ」と言いながら、ピンときたものをお買い上げ。

「ぶどうを買うって、決めていたんですか?」と聞くと、「いえ、日曜市には、買うものは決めずに来るんですよ」とのこと。

聞くと、なちおさん流の「日曜市ルール」は、「“好きな人”のところで買う」。

「個人的な知り合いでは全然ないけれど、昔から日曜市に出ていて、“この人がなんとなく好きだな”という店(人)の場所を、来たらまず探すんです」(なちおさん)

“好き”の理由は、可愛いおばあちゃんだったり、野菜やフルーツを愛おしそうに持って渡してくれることだったり、お話をするのがただ楽しかったり。

なちおさんの“野生の好き”に触れて、興奮気味だったわたしたちも、ようやく気持ちが落ち着いてきたのでした(笑)。

 

 

 

しらすやおじゃこ、干物など、土佐の新鮮な海産物を扱う「中田遊亀商店」さんも、なちおさんが「好きな人」。上質なおじゃこが100gで380円! 

(編集部一同、おじゃこと、この日のおすすめ「さんまのみりん干し」を購入しました。もちろん、美味!でした! *オンラインで購入も可能です。店名でぜひ検索を)

 

 

「夏に高知に来たら、ぜひ味わってください」というなちおさんのおすすめは、仏手柑(ぶっしゅかん)。ゆずやかぼすに似ているけれど、味はもう少しマイルド。「果汁も使いますが、皮の部分をすりおろして料理に添えると、さわやかになるんです」(なちおさん)

 

 

とても小さな「キュウリメロン(マウスメロン)は、瓜の原種です」(なちおさん)

 

 

 

なんと、わんちゃん専用のパンも発見! 愛犬家のlabmiさん(CHECK&STRIPE代表)が即、購入しました。

 

 

 

 

炎天下、たくさん歩いたので、レモン水で水分補給タイムを。

お店の人が1杯ずつ汲んでくれるレモン水が美味しい!

 

 

 

 

 

お腹も空いてきたので、なちおさんと一緒に、立ち食いのところてん(280円!)をいただきました。目の前で、昔なつかしい道具「ところてん突き」を使って作ってくれます。

 

 

 

 

ところてんのお店では、ほかにも気になる、美味しそうなものがたくさん!(わたしは、竹に巻かれたちくわを購入しました~)

 

 

 

高知の日曜市で人気の「いも天」は、熱々をその場で。

 

 

 

 

 

 

写真上から、田舎寿司、いも餅、採れたてきゅうり&野菜たち、ちくわパン。

すべて、「これから、川沿いで食べるお昼ごはん用に」と、なちおさんが選んでくれた“日曜市ならでは”の食材たちです。

そして20分ほど車を走らせて到着したのは……。

 

 

 

 

 

透明度が高い! ここは、「鏡川」の上流付近です。

「夏になると、“もう川、行った?”というのが合言葉になるくらい、高知の人はしょっちゅう川に行くんです。この川はうちからも近いので、時々Wi-Fiを持って、ここで原稿を書いたりもするんですよ」(なちおさん)

なんと羨ましい…。

 

 

 

からだの汗がすぅーっと引いていくのがわかるくらい気持ちのいいこの場所で、なちおさんと一緒にいただいたお昼ごはんの味は、きっと忘れることはないでしょう。

(幸せすぎる……)と余韻に浸りながらも、旅はDAY2へと続きます。お楽しみに!

 

 

中西なちお

絵本作家・料理人。2007年より、「旅するレストラン」と称して店舗を持たず、季節や場所、テーマに合わせ様々な国の料理を提案する、トラネコボンボンを主宰。

2011年3.11震災後 避難先の友人に、何か送ろうかとたずねたところ「毎日動物の絵を一枚送って」といわれてからホームページのblog「記憶のモンプチ」で毎日一枚動物の絵を更新中。
近著に「猫と世界どうぶつ記」誠文堂新光社「トラネコボンボンのお料理絵本」MOE BOOKS「のうじょうにすむねこ」小学館など。

 

 

写真 大段まちこ 取材・文 井尾淳子

 

 

 

トラネコボンボン レッツゴー高知

 

 

 

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