nounours books が会いたい人を訪ねるページです。
家のこと。部屋のこと。ともに暮らす家族、日々のあれこれや布使い、などなど。
「ROOM STORY」side A(今)、side B(これまで)としてお届けします。
01 - side - A
箱のような家が好き
今年7月に新居が完成したばかりという、fog linen work オーナー・関根由美子さんのご自宅を訪ねました。
関根さんは、建築家のパートナーと猫との、2人と1匹暮らし。
(この日愛猫は、ご近所に暮らすご両親のもとに別居中とのことで不在。残念!)
写真は自宅の屋上にて。ここではパートナーが念願の家庭菜園をしたり、
関根さんがひとり、ビール片手に夕涼みをしたり。自由な時間が流れる場所です。
新居の間取りは、シンプルな箱型。前に住んでいた家も、下北沢にあるfog linen workの店舗も、
どれも同じ箱型。この箱型の間取りこそ、関根さんがたどり着いた”いちばん過ごしやすいカタチ”なのだそう。
「自由度の高い間取りにしておけば、いつ、どんな風にライフスタイルが変わっても対応しやすいことがわかったので」と関根さん。
家も店舗も、設計は建築家のパートナーによるもの。
ちなみに上の写真は、店舗(左)と自宅(右)それぞれの模型。
じつは店舗の建築設計をお願いしたことがきっかけで、パートナーとしてのご縁につながったのだとか。
ダイニング&キッチンと、関根さんのワークスペースがある2階。
高い天井と広々としたスペースは、ごらんの通りの「スッキリ!」さ。
「大きな布を広げて作業をすることもあるので、これまで住んだ家でも、
“モノよりスペース重視”でした。場所さえあれば、何でも出来るから」(関根さん)
「素材感を出したかったので、壁は塗らないままにしました。
塗るのはいつでも出来る、と思ったんです。」(関根さん)
今回の新居を建てるにあたりこだわったことは、「床材や壁材、窓枠、キッチンなどの建具材は、好きなものを自由に選ぶ」。
「前に住んでいた建築条件付きの土地では、工務店さんが予め決まっていたので建材を自由に選べなかったんです。
たとえば窓枠ひとつも、“シャンパン ゴールドしかありません”って言われて、えぇっ、普通のシルバーはないんですね...みたいな(笑)」(関根さん)
前回のような不満を残さないように、と今回は隙間ができないもの床材を選んでもらったとのこと。
写真は、オーク材を使った床。ほんとうに隙間なくぴったりな、美しい床でした。
もうひとつのこだわりは、1階にある「ゲストルーム」。
布の買い付けなど、海外に行くことの多い関根さん。
「そうすると、行く先々でちゃんとしたゲストルームに泊めていただいて、いつもありがたいなぁと思っていました。私も家にゲストをお招きする際は、快適に過ごしていただける部屋を作りたい、と」(関根さん)
ゲストルームにはシャワーとトイレも完備。自宅玄関を通らなくても出入りできるので、
ゲストが自由行動する日も、気を遣わずに過ごせるようになっています。
ゲストルームから見えるガーデン。
「日本の植物は育ち過ぎると剪定や手入れが大変だから、とお花屋さんにアトバイスをもらって、
ミモザやオリーブ、ユーカリなどのオーストラリアの植物を育てています。(関根さん)
★次回、side Bでは、キッチンまわりの写真を中心に、
関根さんの「今に至る これまで」の room story をお届けします。
お楽しみに!(写真は、会えなかった関根さんの愛猫「5番」。お店のスタッフが4人だった時代に、5番目のスタッフとして仲間入りしたことが名前の由来!)
Column 01
暮らしの中の布使い
ゲストルームで使用しているのは、端切れで作った床マット。
「リネンの服を作る時に生地の耳を落とすので、端切れがたくさん出るんです。
この端切れは fog linen work の店舗でも、セット販売しています」
Column 02
暮らしのフック
ゲストルームの壁には、「花と服 03」に登場しているフラワーアーティスト・CHAJINさんによるリースと、葉山在住のガラス作家・鈴木 ちかこさんのネックレスが飾られていました。
訪ねた方
関根由美子
東京・下北沢にある生活雑貨店「fog linen work」オーナー。
1999 年のオープン以来、リトアニアのリネンを使ったオリジナル商品を中心企画、販売。南インドのファッションブランド「miiThaaii」を立ち上げるなど、活動は多岐にわたる。
撮影/大段まちこ 文/井尾淳子