nounours booksが会いたい人を訪ねるページです。
家のこと。部屋のこと。
ともに暮らす家族、日々のあれこれや布使い、などなど。
「room story」side A、side Bとしてお届けします。
04-side A
「ぴったりの家」を探して
「まさか、こんな日が来るなんて」。そう感慨深くつぶやきながら、
わたしたち編集部員を自宅に招き入れてくださったのは、CHECK&STRIPE事務所スタッフのめがねさん。
いつも丁寧で気遣い溢れるお仕事ぶりに、じつは隠れファンもたくさん。
「一体どうしたら、こんなにスッキリぴかぴかに家を保つことができるのですか?」
一歩足を踏み入れた途端、聞きたいことが次々と沸き起こってきたほど、整ったお家。
今回は、そんなめがねさんのご自宅を紹介します。
ご家族の海外赴任や、飼っていたペットの事情などから、長く実家でのひとり暮らしを続けていたというめがねさん。
でも、「40歳になるまでには、自分だけの家を持ちたい」という思いから一念発起。
自分にぴったり、しっくりくるように。小さなストレスなく、いつも心地よく過ごせるように。
「1年くらい前から、どこかにぴったりの家はないか、本腰を入れて探し始めました」とのこと。
「実家でも、部屋の模様替えばかりしている子ども時代を過ごしました」(めがねさん)
うんうん。なんとなく、想像がつきますよ!
「この家かもしれない」。
運命の出会いとなったのは、10件以上もの物件を見終わった頃でした。
「じつは今住んでいるこの家はおまけで、ついでに見に来たマンションだったんです」とのこと。
本命候補は、別の家だったのだそうです。
ところがひと目見た瞬間に、外観も部屋の中も、とっても気に入ってしまったというめがねさん。
美しい木々が植えられた坂の途中にあるこのマンションは、
低層階なのに、そうとは見えない窓からの眺めだったり、
自分の家専用の入り口階段もあって、隣室とも十分に離れている造りだったり。
「小さいながら、庭もあったんですよ。本命と思っていた物件は、
実際に見に行くと部屋がどことなく暗い感じがして、あれ?違うなと思いました」(めがねさん)
どの部屋も明るくて、とても静かな佇まいのこの家。
「不動産屋さんからも、“入った瞬間、お顔がぱっと変わりましたね。
ほかの物件ではなかった”と言われました(笑)」
たしかに、それまで見た家は、売れてしまったとしてもあまり残念な気持ちにはならなくて。
「でも、この家が売れてしまったら悲しい!と、初めて感じたんです」
素敵に住まう、ぴったりの家主の訪れ。
きっと家のほうだって、めがねさんのことを待ち望んでいたに違いありません。
もとは昔ながらの間取りの、3LDKだったこの家。
「前に住んでいた方も、きれいに暮らしていたんだろうなと感じました」(めがねさん)
でも、もう少し使い勝手をよくするために、和室だった部分をリビングに広げるなど、
2LDKに変更するリノベーションを行ったそうです。
「ドアは白く、ドアノブは真鍮に、細かいところも変えてもらいました」とのこと。
一般的なマンションは、リビングは南向きで明るいけれど、
外の通路に隣接した奥の部屋は、暗くなってしまう間取りが多いもの。
けれどこの家は奥の部屋も明るくて、午後の風が通っていく心地よさを感じました。
「そうなんです。なので奥の2部屋は、ひと部屋を寝室に、もうひと部屋はミシンをかける裁縫の部屋にしました」(めがねさん)。
きれいに整えられた2つの部屋。
その居心地の良さは写真からも一目瞭然ですが、
こちらの詳細について、そしてこだわりの家具については、後編「side B」で詳しくご紹介します。
お楽しみに!
Column 暮らしの中の布使い
普段はほとんど、自分で作った服を着ているというめがねさん。
この日のシャツは、糸が細く、目の詰まったハリ感が特徴の「CHECK&STRIPEオリジナルmy favorite cotton」で作ったそう。
「以前から定番でご紹介している“コットンパピエ”よりも糸が細く、薄手になります。カジュアルながらきれいめで大人っぽい雰囲気が出る布で、気に入っています」(めがねさん)
そして手に持っている白いシャツは、同じ生地の白で作ったもの。
「デザインは、ソーイングブック『CHECK&STRIPE お気に入りをてづくりで』(世界文化社)に登場するワンピースを短くアレンジして、
シャツに仕立てました」(めがねさん)
訪ねた方
めがね。
CHECK&STRIPE事務所スタッフ。神戸市在住。デザイン関係のディレクションを担当。リバティプリントのオリジナルの色付けや、洋服・小物・ぬいぐるみのデザイン・製作をすることも。
撮影/大段まちこ 文/井尾淳子