たとえば「ポテトサラダ」をつくろうと思ったら。
まず、どんなことから考えますか?
材料と調味料、よく知っている味付け…などなど、
「レシピありき」で始まることが多いはず。
でも、ジョバンニこと渡辺さんの料理は、
どういう食感で、どういう温度で、どんなタイミングでいただくか。
「出来上がりのイメージを強くもつ」ことからスタートします。
すると、材料も味付けも見え方も、取り組み方すべてが変わってくるのだそう。
シンプルな料理が、びっくりするほど美味しくなる、Giovanni流のミラクルポイントをご紹介します。
*Giovanni…渡辺さんがイタリア滞在中につけてもらった、イタリア人の名前
新玉葱とプチトマトのフォカッチャ
強力粉 270g
全粒粉 30g
ドライイースト 3g
塩 6g
ぬるま湯 180cc
オリーブ油 30g
プチトマト10粒
新玉葱 1/4個
オレガノ 小さじ1
結晶塩 少々
強力粉、全粒粉をボウルに入れて混ぜ合わせる。
ボウルの真ん中に穴が開くように粉の形を作る(真上から見るとドーナツ状)。
穴の中にイーストを入れ、ボウルの縁に沿って塩を入れる。
ぬるま湯を真ん中の穴に入れて、フォークを使って粉と混ぜ合わせていく。
ぬるま湯がすべて入ったらオリーブ油を入れ、さらに混ぜていく。
これ以上フォークでまとめきれなくなったら、手に代えて生地を一つにまとめる。
コネ台に出し、滑らかな状態になるまでよくこねる。
ボウルにオリーブ油を薄く塗り、捏ね上げた生地を丸く整形して入れる。
ラップなどで蓋をして、常温で1時間ほど、倍の大きさになるまで一次発酵させる。
天板にオーブンシートを敷いておく。
ふくらんだ生地の真ん中を優しくパンチしてガスを抜き、天板の上に移す。
生地を手で厚さ2~3cm程度に広げる。
指で生地に満遍なく窪みをつける。
横半分に切ったプチトマトを生地に埋め、薄切りにした新玉葱を散らす。
再び乾かないようにラップをかけ、30分二次発酵させる。
オーブンを200度に予熱し、生地のラップを外してオリーブ油を表面にまんべんなくかける。
結晶塩を全体に振り、オーブンに入れて15分焼く。
香ばしい色が付いていたら取り出す(焼き色が薄い場合、さらに5分焼く)。
食べやすく切り分け、オレガノを手のひらにとり、よく揉んでふりかけ、供する。
miracle point
渡辺康啓 料理家
1980年生まれ。くいしんぼうの父とパティシエの母の間に生まれる。COMME des GARÇONSにて働き、独特の美意識を学ぶ。2007年、料理家として独立、東京・二子玉川にスタジオを構え、料理教室をメインに活動し、その後2015年に活動の拠点を福岡へ移す。移転後もテレビ、雑誌などのメディア出演の他、全国へ出向いて各地の食材を使った料理会を開催し、その地方特有の食材の新たな表情を提案している。
著作に「5分/15分/30分の料理 シンプルで美しい68の皿」(マガジンハウス)、果物をテーマとした「果物料理」(平凡社)、雑誌GINZAにて2011年5月号から2014年7月号まで連載していたレシピをまとめた「春夏秋冬 毎日のごちそう」(マガジンハウス)がある。