はじめて庄野潤三さんを知ったのは読書好きの友人から。
「鳥の水浴び」という本に、少しだけ夫の伯父(もみ爺の兄)が登場していることを教えてもらって、読んだのが始まりでした。
伯父が大学時代に庄野さんの先輩だったそうで、その本にでてくる伯父は、ひょうきんで楽しく 世話好きな人物として書かれています。
伯父は亡くなってしまったけど、私たちの知らない若い頃の伯父の様子を知ることができ、大切な一冊になりました。
何よりおだやかな、この物語が好きで、それ以来この本を何度も繰り返し読んでいました。
最近知り合った若い知人が 同じく庄野潤三さんの本を読んでいることを知り、「こんな若い人が!」と、
とてもうれしく思っていたらその知人から一冊の本が届きました。
「貝がらと海の音」
またこの物語もとてもよくて。
夫婦の穏やかな日常。庭の花を愛でて過ごす穏やかな毎日。
(時々布屋さんのことや お仕立てのことも出てきてうれしい)。
3人の子供のこと、孫のふーちゃんのこと、娘さんからの手紙、ご近所の人のこと。
なにげない毎日を綴った物語が、私にはとても愛おしく思え、
忙しく過ごした日の夜も、寝る前に数ページずつ読むと心が鎮まっていきます。
本と一緒に送られた青い万年筆で書かれた絵葉書を栞にして読んでいます。
神奈川近代文学館で、庄野潤三展が開催されているそうで、会期中 行ってみたいな。。と思っています。