かのうかおりのグルテンフリーでつくる郷土料理
郷土料理はふるさとの味、おふくろの味。
昔は家庭の中で受け継がれていくものでした。
ライフスタイルが変わった今、それを受け継いでいくことが難しくなってきています。
ここでは、各地の文化や風土がギュと詰まった料理を
小麦を使わないグルテンフリーのレシピにしてご紹介します。
毎日の献立に取り入れたり、少しアレンジを加えて、いつもの食卓に変化をつけてみませんか。
もっと興味が湧いてきたらぜひ旅に出てみてください。
熊本 「だご汁」
熊本で親しまれているのは、小麦粉を水でこねた生地を平らなお団子状にした「だご」を入れた汁物料理です。
熊本では「だんご」を「だご」と呼ぶことから「だご汁」という名に。
熊本の代表的な郷土料理として、日常的に食べられています。
各地方や家庭でさまざまな具や味付けで料理され、例えば、阿蘇地方では、豚肉、しいたけ、根菜など山の幸が豊富に入った味噌仕立て、有明海沿岸地方は貝類を入れた醤油仕立てなどと、さまざまなバリエーションがあるのが魅力です。
材料(4人分)
熱湯 40ml
水 40ml
米粉 100g
ごぼう 20cm
里芋 2個
にんじん 1/2本
しいたけ 2~3枚
長ネギ 20cm
だし汁 800cc
味噌 大さじ3〜
つくりかた
1. コップに熱湯と水をあわせて、ぬるま湯をつくる。
2. ボウルに米粉を入れ、1.のぬるま湯を少しずつ加えながらこねて、耳たぶくらいの硬さになったらぬるま湯を加えるのをやめてひとかたまりにし、乾燥しないようにラップに包む。
3. ごぼうは食べやすい大きさに切り、水にさらしておく。里芋は皮をむき一口大に切る。にんじん、しいたけ、長ネギは食べやすい大きさに切る。
4. 鍋にだし汁、3.を加えて煮る。材料に火が通ったら、2.を指でちぎりながら入れ、味噌を溶かし入れる。
5. お椀に盛り付けてねぎを散らす。
わたしについて
若い頃、バックパックを背負ってアジア他さまざまな国を歩き、食についてもっと知りたくなって、フランスを地方ごとに分けて幾度となく旅をしていました。
その中で強く関心を持った「チーズ」をテーマに、フランスの食文化を追求するため単身留学し、ヨーロッパをぐるりとめぐって帰国しました。
その後チーズに関わりながら、子供の食物アレルギーをきっかけに、当たり前にある和食のよさに気づきました。
「和食・日本人の伝統的な食文化」は、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録され、グローバル化が進んだ近年では、外国人がおいしそうにお寿司やおそばを食べるのも普通の光景です。
ひとことに和食といっても幅広く、私たちが日常的に食べているものも、おせち料理、懐石料理、精進料理も和食ですが、ここでは「郷土料理」をテーマにお伝えします。
かのうかおり
カオリーヌ菓子店店主
五感を使った味わい方、生産者と食べ手との関わりの観点から食の持つ力や自然を大切にする心を育む活動をしている。
フランスチーズ鑑評騎士、J.S.Aソムリエ。1男2女の母。著書に『カオリーヌ菓子店のチーズケーキ』(主婦と生活社)、『チーズの絵本』(mille books)