かのうかおりのグルテンフリーでつくる郷土料理
郷土料理はふるさとの味、おふくろの味。
昔は家庭の中で受け継がれていくものでした。
ライフスタイルが変わった今、それを受け継いでいくことが難しくなってきています。
ここでは、各地の文化や風土がギュと詰まった料理を
小麦を使わないグルテンフリーのレシピにしてご紹介します。
毎日の献立に取り入れたり、少しアレンジを加えて、いつもの食卓に変化をつけてみませんか。
もっと興味が湧いてきたらぜひ旅に出てみてください。
高菜めし
阿蘇地方で栽培されている阿蘇高菜。収穫期は3月中旬から下旬の間で、機械を使わずに一本ずつ手で茎を折って収穫することから、阿蘇ではこの作業を「高菜折り」と呼んでいます。高菜漬けには、低い塩分で漬けた緑色が鮮やかな「新漬け」と高い塩分で長い時間漬け込んだあめ色の「古漬け」があります。新漬けは、新鮮な香りと辛味を春の味覚として味わい、古漬けは高菜めしに。刻んだ高菜を油で炒め、醤油、ごまで味付けし、白いご飯と混ぜ合わせて錦糸卵をのせる。炒めないご飯なので、ご飯のやわらかさと、高菜のピリッとした風味と凝縮した旨味、さらにしょうゆとゴマの香りが合わさり、食欲をそそる一品に。だご汁と一緒に食べるのもおすすめです。
<材料 4人前>
ご飯 500g
高菜漬け 100g(醤油、ごまで、油で味付けされているもの)
醤油、ゴマ 好みで調整
錦糸卵
卵 2個
片栗粉 小さじ1
水 大さじ1
塩 ひとつまみ
作り方
錦糸卵をつくる。
卵を溶き、片栗粉と水で水溶き片栗粉を作ったもの、塩を加えて混ぜる。
フライパンを熱して薄く油をしき、卵液を流し入れ、薄焼き卵をつくる。
冷めたら薄切りにする。
ボールにご飯と高菜を入れて混ぜる。好みで醤油、ゴマで味を調整する。
お皿に盛り付け、錦糸卵をのせたらできあがり。
信州の野沢菜漬、広島の広島菜漬とともに日本三大菜漬として知られているのが阿蘇の高菜漬。福岡の三池高菜、雲仙のこぶ高菜など、高菜は九州各地の特産品です。高菜漬けはメーカーによって味付けが異なるので、お好みで味を調整してください。
かのうかおり
カオリーヌ菓子店店主
五感を使った味わい方、生産者と食べ手との関わりの観点から食の持つ力や自然を大切にする心を育む活動をしている。
フランスチーズ鑑評騎士、J.S.Aソムリエ。1男2女の母。著書に『カオリーヌ菓子店のチーズケーキ』(主婦と生活社)、『チーズの絵本』(mille books)