かのうかおりのグルテンフリーでつくる郷土料理
郷土料理はふるさとの味、おふくろの味。
昔は家庭の中で受け継がれていくものでした。
ライフスタイルが変わった今、それを受け継いでいくことが難しくなってきています。
ここでは、各地の文化や風土がギュと詰まった料理を
小麦を使わないグルテンフリーのレシピにしてご紹介します。
毎日の献立に取り入れたり、少しアレンジを加えて、いつもの食卓に変化をつけてみませんか。
もっと興味が湧いてきたらぜひ旅に出てみてください。
イギリスの家庭の味「コテージパイ」
かつてイギリスの食文化では、日曜日に大きなかたまり肉を焼き、その後1週間かけて、残りの肉を少しずつ食べ、最後はカレーやスープなどの具として調理して食べていました。
18世紀末、みんなが入手できる穀物として、じゃがいもが普及しました。じゃがいもでできたパイ生地、残り物の肉、身近にあるチーズで生まれたのがコテージパイ。
肉が牛肉だと「コテージ(田舎の小さい家)・パイ」、ラム肉の場合は「シェパーズ(羊飼い)・パイ」と呼び分けられています。
ここでは手に入りやすい合挽き肉のレシピを紹介します。
普段の料理にも、また人が集まるパーティメニューにも最適ですよ。
<材料 直径21cmのグラタン皿1つ分>
- フィリング
合挽き肉 300g
たまねぎ 1/2個
にんじん 1/4本
ニンニク 1/4かけ
油 適量
A.
トマトピューレ 大さじ1
コンソメ顆粒 5g(1袋、またはキューブ1個)
ウスターソース 大さじ1/2
米粉 大さじ1
水 100ml
塩 こしょう 適宜
-マッシュポテト
じゃがいも 4個(500g)
B.
バター 20g
牛乳 大さじ4~
粉チーズ 大さじ1
塩 こしょう 適宜
つくりかた
-フィリング
1.
たまねぎ、にんじん、にんにくは、みじん切りにする。
2.
フライパンに油を熱し、たまねぎ、 にんじん、にんにくを入れて、軽く炒めたら、合挽き肉を加え、焼き付けるようにして炒める。
3.
A.を加えて混ぜて、中火で煮詰めて、塩こしょうで味付けする。
-マッシュポテト
4.
じゃがいもを密閉容器に入れて、レンジで加熱する(600Wで約10分)。熱いうちにつぶし、B.を加えて混ぜる。
5.
耐熱容器に3.を入れ、マッシュポテトを重ねてのせ、フォークで模様をつけてオーブンで焼く(250°C 約10分)。
もともとが残りもの料理なので、たまねぎ、にんじん以外にも、冷蔵庫にあるなすやピーマンなどの野菜を入れても。セージやタイムなどのハーブや、ナツメグやシナモンなどスパイスで香りづけをすれば、また味わいの変わったコテージパイができあがります。
今回は、粉チーズ使いましたが、イギリスのチェダーチーズを細かく刻んで使用してもよいでしょう。
フォークで模様をつけます。とくに決まりはないので、お好みの模様を。
かのうかおり
カオリーヌ菓子店店主
五感を使った味わい方、生産者と食べ手との関わりの観点から食の持つ力や自然を大切にする心を育む活動をしている。
フランスチーズ鑑評騎士、J.S.Aソムリエ。1男2女の母。著書に『カオリーヌ菓子店のチーズケーキ』(主婦と生活社)、『チーズの絵本』(mille books)